日本材料技研株式会社

負熱膨張材料BNFO

日本材料技研(JMTC)の負熱膨張材料BNFOは、ビスマス・ニッケル・鉄からなるペロブスカイト構造を持つ酸化物セラミックスBiNi1-xFexO3です。

負熱膨張材料BNFOは、温度変化に伴いニッケルとビスマスの間での電荷移動が起こることで、ペロブスカイト結晶構造の骨格を担うニッケルと酸素の結合長が伸縮し、温度上昇によって大きな体積収縮を引き起こします。

任意の中心温度±20~30℃程度で大きな負の熱膨張(最大で-187ppm/K)を示し、エポキシやシリコーン等種々の樹脂との混合性が良好であるため、樹脂コンポジット材料などのCTE(熱膨張率)抑制に使うことができます。現在、0℃~150℃までの熱膨張コントロールが可能であり、精密射出成型部材や精密接着剤、特殊な封止材などの用途が検討されています。各用途の需要に応じて、さらなる温度域の拡充や粒度バリエーションの拡充に取り組んでいます。

また負熱膨張材料BNFOは、結晶構造の変化に伴い、体積が収縮するほかに電気抵抗(電気伝導率)や熱抵抗(熱伝導率)に変化を引き起こす熱応答セラミックスでもあります。熱応答性セラミックスとしての特性を活かしてエレクトロニクス部品に用いられるスイッチング材料やセンサー材料として使用することも期待されます。